2013年08月28日
産総研、ゴムをナノレベル精度で加工する技術を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所は28日、単層カーボンナノチューブ(CNT)をゴムに分散させることで、従来のゴムでは実現できなかった数百ナノメートルやマイクロメートルの精度でゴム表面を加工できる技術を開発したと発表した。

ゴムに代表されるエラストマーを加工する方法としては、従来から金型成形加工や切削加工などが知られている。とくに金型加工は、生産性に優れ、連続生産もでき、大量生産に適しているが、プレス成形中の気泡混入や、成形後のクリープにより、ナノメートル、マイクロメートル単位での高精度な加工が事実上不可能であった。

産総研は今回、ネットワーク構造の長尺単層CNTをゴムに分散させることで、ゴム中で自由に変形できる支持体としてCNTが働き、ゴムの柔軟性と高精緻な形状維持性の両立に成功した。

今回開発した技術を用いると、自由自在にマイクロサイズのゴム表面加工を、数百ナノメートルやマイクロメートル精度で行うことが可能になる。

今後は、ゴムメーカーと連携し、表面構造に起因した特性制御によって高機能化した高精密加工ゴムの新規用途開発を進めていく方針である。