2013年09月03日
東レ・菱レなど、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東洋紡、東レ、三菱レイヨン、NEDO

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は3日、NEDOプロジェクトで東京大学、東レ、三菱レイヨン、東洋紡、タカギセイコーのグループが、加熱すると成形しやすくなる熱可塑性樹脂を用いた全く新しい「炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRIP)」の開発に成功したと発表した。

従来のCFRP(炭素繊維強化熱硬化性プラスチック)では困難だった高速成形加工や高汎用性を有する接合を行えるため、量産車にも用途が広がり、車体の軽量化(現行比30%程度)やエネルギー消費低減などの効果が期待される。

高い強度と非常に軽いという特性を持つ炭素繊維は、世界生産量の7割以上を日系企業が占める先端素材だが、エポキシ樹脂など熱硬化性樹脂と一体化したCFRPは(1)設計が難しい(2)金属のような均質材料でない(3)成形加工時間が長い(4)コスト高―などの課題を抱えている。

今回開発したCFRTPは、熱硬化性樹脂の代わりに、熱可塑性樹脂を用いることで、CFRPが抱えている課題を克服できた。このため、量産車にも用途が広がり、車体の軽量化、エネルギー消費低減などの効果が期待できる。
また、再成形できるためリサイクルが可能で、循環型社会の実現に大きく寄与するとしている。