2000年11月24日
PVCアジア市況急速に軟化、東南アジア品550ドル水準も
中国の買い鈍化、東南アジアメーカー売り急ぐ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 PVC(塩ビ樹脂)のアジアスポット市況が一段と弱含みの展開となっており、ここへ来てCIF・トン600ドルを大きく割り込んでいる。さらに東南アジアメーカーでは12月の輸出価格について550~570ドル水準と、日本メーカーと比べ100ドル前後も安値でのオファーを出すなど一段と先安感が強まってきている。
 大手PVCメーカー筋によると、日本の中国向け11月の輸出価格は当初700ドルを目指していたが、先安感もあり現在は660ドルと下降してのアナウンスを行っている。しかし、スポット市場では価格軟化が急速に進み、とくに今月に入ってからは50ドル以上も価格が下落しており、現在は570~590ドル水準が実勢となっている。
 こうした急激な価格軟化は、中国の買いが鈍っていることもあり、タイ、インドネシアなどのPVCメーカーの売り急ぎが価格軟化に拍車をかけているものと見られている。
 こうした状況は中国の在庫調整が進む旧正月まで続く可能性もあるとして、市場には先行き不透明感が強まっている。