2013年09月13日
農水省、来年度「民間活力を活かした研究の推進」で30億円を概算要求
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:農林水産省

農林水産省は、全国に配置したコーディネーターが収集した生産現場や民間ニーズに基づき、民間企業等による事業化に向けた研究及び異分野と融合した共同研究を促進するため、平成26年度から「民間活力を活かした研究の推進」事業に着手するため、30億円の概算要求を行った。

農林水産・食品分野では、研究投資が他産業に比べて低調であり、革新的な技術の創出やその事業化が遅れ、産業技術力の強化につながっていないのが現状である。このため同省は、民間企業等の事業化を促進するための研究開発や遺伝子工学、医療、IT(情報技術)、ロボット工学など異分野の革新的な技術を農林水産・食品分野へ活用する研究開発が必要と判断し、来年度から「民間活力を活かした研究の推進」に取り組む。

具体的には、農林水産業・食品産業の成長産業化を目指す「革新的技術創造促進事業」(概算要求28億7500万円)で、農林水産業の生産現場や民間ニーズに基づいて研究課題を設定し、民間企業の事業化に向けた研究開発を支援する「民間活力を活用した事業化の促進」に取り組む一方で、医療や工学などの異分野と連携して研究開発を行うことが効果的な課題について、異分野の産学との共同研究を支援する「異分野と連携した研究開発」にも取り組む。

とくに、企業等による農林水産業・食品産業に役立つ革新的技術の事業化促進研究や異分野融合共同研究を実施する。この場合、委託先企業が成功時に研究費の100%、不成功時に10%を返済する制度を創設し、研究開発リスクの軽減を図る考えだ。

また、全国に配置したコーディネーターが、農林水産業・産業界の研究ニーズを収集し、研究の課題設定を現場ニーズに対応したものとするとともに、研究の開発段階から産学が密接に連携し、早期に成果を実現できるようにする「事業化を加速する産学連携支援事業」(概算要求1億2500万円)にも取り組む。

同省は、(1)事業化促進研究において、平成30年度までに実施課題の90%以上で事業化する(2)異分野融合共同研究で、平成30年度までに実施課題の80%以上で事業化が有望な研究成果を創出するーことを政策目標に掲げている。