2013年09月13日
帝人、新規リン系難燃剤「FCX-210」を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:帝人

帝人は13日、スチレン系樹脂やポリアミド系樹脂など、より多彩な樹脂に対応可能な新規リン系難燃剤「ファイヤガードFCX-210」を開発したと発表した。

主要な難燃剤の1つであるリン系難燃剤は、ポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂などに添加することで高い難燃効果を発揮するが、ユーザ-からは、これらの樹脂に限らず高い難燃効果を発揮する難燃剤の開発を求められていた。従来のリン系難燃剤は、添加することによる耐熱性の低下が課題となっていた。

帝人では、こうしたネックを解消した新規リン系難燃剤を開発した。具体的には、これまで高い難燃効果の付与が困難だったアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)やポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ナイロンをはじめとするポリアミド系樹脂など、OA機器や家電製品、ゲーム機器、自動車などに広く使用される多彩な樹脂に難燃効果を付与することが可能になっただけでなく、樹脂の耐熱性を維持することが可能になった。

また、少量の添加で難燃性を向上させるため、樹脂本来の特性を保持できる。例えば、HIポリスチレンでは、添加量を約4割低減することが可能である。

同社では、従来からの臭素系難燃剤に新規リン系難燃剤が加わることで、難燃剤事業として2018年度には40億円の売上高を目指す方針である。