2000年11月24日
LG化学、現代石油化学のPVC事業を買収~年産90万トン体制に
世界7位、アジア2位のPVCメーカーに
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 LG化学は23日、かねてから交渉していた現代石油化学のPVC(塩ビ樹脂)事業買収について、現代石化のPVCおよびVCM(塩化ビニルモノマー)各20万トンを取得したことを正式に発表した。この結果、LG化学グループのPVC生産能力は、90万トンに拡大、世界第7位、アジアで2位のPVCメーカーに躍進する。
 今回の買収額は、LG化学が現代石化のPVC事業の従業員の雇用を保証することにより、1,050億ウォン(約99億円)となり、買収手続きが完了した際に現金で支払われる。両社ともこの取引により、戦略的コア事業が国内外で強化されると見込んでいる。
 現在LG化学は、韓国・麗川に年産55万トン、中国・天津に15万トンの合計70万トンのPVC生産能力を有し、原料VCMは麗川に60万トン設備を有している。今回の買収により、現代石化が大山に有しているPVCおよびVCMが加わることで、LG化学グループの生産能力はPVC90万トン、VCM80万トン体制に拡大する。
 LG化学によれば、今回の買収は、自発的な統合に動いたものであり、韓国のPVCメーカーとしては、供給過剰となっている国内市場に対し自らの設備投資を行わずに国際競争力を強化するチャンスを手にすることを意味する、と説明している。また、世界のPVC大手メーカーの生産能力が平均140万トン規模であるのに対し、韓国のPVCメーカーは平均3万9,000トンに過ぎず、国際競争に勝ち残っていくためにはスケールと効率の両方が欠けていると見ていた。
 なおLG化学は、現在検討している中国での増強計画を含め、2002年をめどに100万トン体制を構築、世界の大手メーカーを目指す考え。