2013年09月20日
JNCなど3社、放射能汚染土壌の浄化システム開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:JNC

チッソの事業会社JNCは20日、安藤ハザマ(本社:東京都港区)、ネオス(本社:神戸市)との3社の間で、東日本大震災以来深刻化している放射線セシウムによる汚染土壌の浄化システムを共同開発したと発表した。

JNCはこれまでも汚染土壌浄化技術を開発してきたが、主に粗粒分(粒径0.075ミリ以上)を浄化する技術で、それ以下の細粒分の土壌浄化には多くの費用がかかるという課題があった。

今回、3社の技術を組み合わせ、粗粒分から細粒分まで97%以上の土壌の放射能濃度を低減し、残り3%部分に放射性セシウムを分離・濃縮する新しいシステムを開発した。

まず、汚染土壌を水で15分間磨砕洗浄して粗粒分に付着した放射性セシウムを削り取り、浄化された粗粒分を取り出す。洗浄水の中には放射性セシウムが付着した細粒分が残る。次に、細粒分を洗浄剤で洗浄して放射性セシウムを洗浄液中に溶出させ、浄化させた細粒分を取り出す。最後に洗浄液に溶出した放射性セシウムを磁性化分離して除去する。

粗粒分の磨砕洗浄と細粒分洗浄段階でそれぞれ90%以上の除染率を確認済み。
最終段階の溶出液中のセシウムは99%除去・回収できることを確認した。

3社は今後国や各地の自治体に同プロセスの採用を積極的に働きかけていく方針だ。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1379657674.pdf