2013年10月03日
理研、薬剤作用を遺伝子発現量の変化で捉えることに初成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所は3日、薬剤の作用を遺伝子発現量の変化として網羅的・定量的に捉えることに初めて成功したと発表した。

新薬開発で、創薬候補物質が標的細胞の遺伝子発現をどのように変化させるかを捉えることは、薬理作用を解明するうえで重要である。従来は、この目的のためにマイクロアレイ法が広く用いられてきたが、検出感度が低く、測定できる遺伝子の種類が限定されるなどの理由で、十分な定量解析が行えなかった。

理研が開発した独自技法「非増幅deepCAGE法」は、細胞中のmRNAを少量でも偏りなく網羅的に捉え、遺伝子の転写開始点の直上流にあるプロモーター活性を測定できる。さらに、塩基配列を高速に解析できる次世代シーケンサーを用いることで、解析対象の細胞に存在する全mRNAの種類と量が解析可能となる。

これらの結果は、非増幅deepCAGE法を用いた遺伝子発現の定量解析が、既存の薬剤の標的タンパク質や作用機序の解明などに広く応用可能あり、新薬開発での薬理学分野への貢献が期待される。