2013年10月08日
理研、半導体ポリマーの配向制御技術を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所(野依良治理事長)は、有機半導体の溶液を塗布して作る塗布型有機薄膜太陽電池(OPV)の変換効率向上の要となる半導体ポリマーの配向制御技術を開発したと発表した。

塗布型OPVは軽量で柔軟なうえ、有機半導体の溶液を塗布して作製でき、大面積化が可能なため、現在普及しているシリコン太陽電池にはない特徴を持つ「次世代太陽電池」として注目されている。

理研は今回、ポリマー膜を従来の2-10倍厚く作製することを可能にした。
ポリマー膜が厚くなったことで、太陽光をより効果的に集光できるようになり、約5%から最大7.5%まで変換効率が向上した。厚いポリマー膜は均質な膜を形成しやすいため、大面積のOPVが作りやすい効果もある。

今回の配向制御技術を塗布型OPV開発に活用することで、実用化の目安とされる変換効率15%の到達に向けて研究開発が大きく加速することが期待される。将来的には、大面積の塗布型OPVの製造にも貢献するとしている。