2013年10月09日
理研、腰椎椎間板変性症発症に関する遺伝子発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所(野依良治理事長)は9日、軟骨の細胞外基質の代謝に関わる遺伝子「CHST3」が腰椎椎間板変性症(LDD)の発症に関与していることを発見したと発表した。

LDDは、椎間板の老化に伴う変性によって生じる疾患の総称で、椎間板ヘルニアや腰痛症はLDDが起因となって発症する。腰痛症は有病率30%といわれる頻度の非常に高い疾患で、社会的・経済的に大きな問題になっている。

理研では、ゲノムワイド相関解析(GWAS)とゲノムワイド連鎖解析の2つの遺伝学的解析を行い、新たなLDD発症に関与する原因遺伝子の同定を試みた。

その結果、LDDに関連する新たな遺伝子CHST3を発見し、椎間板を維持するメカニズムの一部が明らかになった。さらなる研究により、分子レベルでLDDの病態の理解が進み、新しい予防法や治療法、その治療薬の開発が進むと期待される。