2000年11月22日
千代田化工、「新再建計画」策定~2001年度スタートの5ヵ年計画
事業領域見直しや固定費削減、業務提携、財務リストラなどを推進
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:千代田化工建設

 千代田化工建設は22日、同日開催した取締役会において、財務体質を抜本的に改革する「新再建計画」を策定・決議した、と発表した。また改革の柱の1つである資本の減少について、来年1月開催予定の臨時株主総会に付議することについても決議した。このほか計画策定により、業績予想を修正した。
 同社は、1998年4月の再建計画策定以来、経営体制の改革・経営の透明性確保などの経営改革に取り組み、営業面では競争力強化やリスク管理体制の強化を進めている。一方で、人員削減・固定費の大幅削減などのリストラ推進や資産の売却などを実施し、財務体質の改善を目指してきた。この結果、1996年以降発生した大幅赤字工事の一掃や不良債権処理、グループ会社整理、各種含み損処理、株式評価減を実施した。また、積算評価体制、プロジェクト遂行体制強化などの成果も上がっている。
 しかし、アジア経済の低迷や原油価格下落による産油国の投資意欲減退、オイルおよびケミカルのメジャー再編などによる計画の変更・延期などにより、マーケットが冷え込みにともなう受注低迷が、今期および来期の完成工事高・利益に反映されるため、財務内容の悪化が避けられない状況となっている。
 今回の「新再建計画」は、こうした状況からの脱却と今後の厳しい競争を生き抜くことのできる強い会社を目指すため策定したもので、事業領域の選別やさらなる固定費削減、グループ総合力の強化、他社との業務提携などの施策により競争力の強化を図る一方で、財務面でもさらに踏み込み、単なる赤字の処理ではなく、累損一掃、ナイジェリア債権など含み損処理、新会計基準に沿った各種評価損の前倒引当など、徹底したリストラを実施する。
 受注面については、最近の応札状況を見ても同社の価格競争力は確実に回復、さらに技術力を背景とした得意分野への注力、不採算分野撤退、受注体制刷新、業務提携による技術・営業力の補完などで、今後大幅な改善を目指す。
 技術面では、特に評価の高いLNG分野で、昨年10月以来メジャーのプロジェクトを含め7件の基本設計業務を受注、独占に近い成果を挙げており、LNGプラントの建設で世界の26%のシェアを有する実績を今後も維持・発展させていく考え。
 さらにこの2~3年で市場環境が好転しており、アジア経済の回復や原油価格上昇による産油国の投資意欲向上とともに、得意とするLNG・エチレンマーケットが動き始め、かつアジア・中東地域では来年度以降、有望・期待案件が増加してくる見通し。またオイルおよびケミカルメジャーの再編も完了、投資を期待できる環境になりつつあり、今後の受注増を確実視している。
 このほか「新再建計画」で予定している約100億円の第三者割当増資による資本の充実により、国内外の顧客の信頼を回復を、受注活動にも大きく貢献すると見ている。
 「新再建計画」の着実な実行により、営業的にも財務的にも、また技術的にも磐石な会社としての礎を築き早期に再建を完了させ、IT技術を駆使したプロジェクト遂行、技術に立脚した提案型業務を核に、ハードとソフトの両面に強いエンジニアリング会社を目指していく考え。

<参考>http://www.c-nt.co.jp/news/chiyoda.html">「新再建計画」について