2000年11月22日
10月の塩ビ実績、内需減少も在庫10万トン割れに
輸出減少は中国での調整局面の影響
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:東ソー、塩ビ工業・環境協会

 VEC(塩ビ工業・環境協会)は22日、2000年10月の塩ビ樹脂とモノマーの生産・出荷実績をまとめた。
 塩ビ樹脂の内需は、電線その他向けが対前年同月比104.3%の2万9,069トンと増加したものの、硬質用、軟質用ともに前年を割り込み、国内出荷計は同97.3%の15万5,303トンだった。輸出についても中国向け引き合いの一服感から同86.0%の5万5,851トンで、出荷総計では同94%の21万1,154トンだった。
 減少が続いていた月末在庫は、前月比92.0%の9万9,300トンと10万トンを割り込んだ。在庫が10万トンを割ったのは1997年10月以来となる。在庫が減少したことについて田代圓VEC会長(東ソー社長)は、「出荷が悪い中、在庫が圧縮されているのはレジンメーカーの採算性に対する自覚が強くなった現れだろう。メーカーの統合も反映されている。」と述べている。
 一方、モノマーの内需はPVC用、その他用ともに前年を割り込み、国内計は前年同月比88.2%の20万8,329トンだった。輸出は、前月より5,000トン弱増加したものの、同88.1%の4万5,259トンで、出荷合計では同88.2%の25万3,588トンだった。
 塩ビ樹脂の輸出が減少していることについて田代圓会長は、「輸出量の減少は、中国に買い控えの動きがあること、量的には少ないものの欧米品が流入し始めた影響だろう。とくに米国では住宅がスローダウンしてきており状況は流動的になってきている。」と述べている。
 武田正利副会長(鐘淵化学工業社長)は、「中国では原油の先高感から9月には16万トンもの塩ビ樹脂の輸入をしており、現在はその調整局面にあるといえ、実需はしっかりしていると見ていい。」と述べている。

http://www.c-nt.co.jp/data/pvc/2000pvc.html">2000年塩化ビニル樹脂生産出荷実績(表)
http://www.c-nt.co.jp/data/pvc/2000vcm.html">2000年塩化ビニルモノマー生産出荷実績(表)