2000年11月22日
クラレケミカル、来年1月出荷分から活性炭を20%値上げ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:クラレ

 クラレケミカルは21日、活性炭の価格について2001年1月出荷分から20%の値上げを実施することを決定した、と発表した。
 日本の活性炭市場は、この5年間で環境関連を中心に順調な成長を続け、粉炭・粒状炭(再生炭含む)合わせ出荷量が8万~9万トンに拡大、約12%の伸長となっており、近い将来100,000トンへの増加が予測されている。
 しかし、出荷数量は増えているにも関わらず、市場価格はこの5年間で大幅に下落、用途・商品によりバラツキはあるものの、平均30%以上下落しているものと推定されている。
 一方で、活性炭のコストは、この5年間で主構成要素椰子殻原料が45%、燃料は40%、輸送費(10トントラックの場合)は30%上昇、高騰が続いている。
 クラレケミカルはこれまで、ユーザーへの安定供給のため価格改定を行わずに大幅な人員削減、中間段階までの生産工程をフィリピン中心に海外移管するなど、最大限のコスト低減努力を続けてきたが、現在の原燃料、輸送費等の上昇はその範囲を超えており、採算悪化により事業収益が圧迫されているのが実情。
 このままでは、高品質・高性能・高純度など高度な品質管理に対応した新規投資が難しい状況となってきていると判断、採算改善に向けて価格改定を実施することにしたもの。