2013年10月18日
帝人の炭素繊維材料 ニコンの一眼レフカメラに採用
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:帝人

帝人は、独自開発した炭素繊維複合材料「セリーボ」がニコンのデジタル一眼レフカメラ「D5300」に採用され、実用化されたと発表した。熱可塑性樹脂炭素繊維複合材料の実用化は世界初。

従来、カメラのボディや内部構造材には、強度を確保するため主に金属素材が使われていた。プラスチックを使用する場合には、強度不足を補うため、チョップドファイバーと呼ばれる短い繊維長の炭素繊維で補強することがあるが強度特性など炭素繊維の特徴を発揮できない課題があった。

今回、ニコンとの共同開発により熱可塑性樹脂炭素繊維複合材料のカメラ構造部品を開発し、実用化された。
これは、(1)優れた強度特性を発揮し、さらに高い導電性を有するため成形品自体に電磁波シールド特性を付与した(2)優れた樹脂加工技術により、表面に炭素繊維が浮き出すことなく、優れた表面外観性を実現したーのが特徴。

帝人では今後、自動車用途をはじめ、精密機器・家電など量産性及び強度・軽量化が求められる産業用途で「セリーボ」の採用・普及に向けた取り組みを強化し、早期にコンポジット製品事業の本格展開を目指す。
2020年には1500-2000億円の事業規模をめざす。