2000年11月21日 |
スチレン工業会、PS製品の安全性を改めて強調 |
SPEED’98のリストからの削除で見解表明 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:日本ポリスチレン、日本スチレン工業会 |
日本スチレン工業会の阪本寿一・環境問題特別委員会委員長(日本ポリスチレン社長)は2日、同委員会ならびに広報委員会のリーダー3氏とともに記者会見し、スチレンダイマー・トリマーが環境庁の「環境ホルモン戦略計画SPEED’98」のリストから削除されることが正式に決まったことに関する見解を明らかにした。 冒頭、阪本委員長は、「10月31日に環境庁が開催した平成12年度第2回内分泌攪乱化学物質問題検討会において、SPEED’98の対象リストからスチレンダイマー・トリマーを除外する旨が決定されたことは、当工業会が実施してきた様々な安全性確認試験の結果が公式に認められたことを意味するものでもあるだけに誠に喜ばしく思うとともに、環境庁の決断に敬意を表する」と述べて同製品の持つ衛生・安全性を改めて強調、継いで、具体的な所感を次のように明らかにした。 ▽スチレン製品がエンドクリン作用を有するのではないかとする過去2年半にわたる騒ぎは、環境庁が98年5月に取りまとめて発表した「環境ホルモン戦略計画SPEED’98」の検討対象化学物質のリストの一つにスチレンダイマー・トリマーも挙げられた点を捉えてマスコミの中にスチレン製品を危険物扱いするところが相次いだことによって引き起こされた。SPEED’98のリストは決してブラックリストではなく、この点は環境庁も明言してきたが、マスコミの多くがその点を無視してきたことから騒ぎが大きくなった。 ▽その結果、カップ麺の販売が激減し、また他の分野でもPS製品が他の包装材に切り替えられるなど大きな混乱が生じて関係業界全体が甚大な被害をこうむった。 われわれはかねてからPS製品の安全性に対しては様々なデータから絶対の確信を持っていたが、事態を放置していけないと判断してただちに環境問題特別委員会を設置し、業界全体でエンドクリン問題の究明と解決に着手した。最も力を入れてきたのは、内外の著名な試験・実験機関に入念な安全性確認試験を依頼することであったが、さいわいオランダのTNOの極めて過酷な条件による試験(通常のレベルの1000倍の量の投与)でもエストロゲン作用が出ないことが確かめられ、また、食品薬品安全センター秦野研究所では次世代、次々世代に渡っても問題を発生させる心配がないとの試験データが得られた。 ▽これらの実験・試験結果は国際的に専門学者の間で十分評価されるにいたっている。99年以降に厚生省、農水省、通産省など関係省庁が相次いで同ダイマー・トリマーに問題がないことを示す見解を打ち出されるようになってきたのには、こうした点も少なからず作用しているのではないかと判断している。 ▽それに加えて、今回環境庁が同検討委員会の論議を踏まえてダイマー・トリマーをリストから外す決断を下されたことで、PS製品のエンドクリン作用に関する世の中の疑問は一掃される見通しが立ったと言える。大変に喜ばしいことだ。しかし、当工業会としては、今後も引き続きPS製品の安全性の確保の徹底を目指して努力を続けていく考えだ。 |