2013年10月29日
東レ、炭素繊維強化PPS樹脂を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

東レは29日、アルミダイキャストと同等の引張強度を有する射出成形可能な炭素繊維強化ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂の開発に成功したと発表した。

これは、アルミダイキャストよりも45%軽量で、PPS樹脂の有する耐熱性、難燃性、耐薬品性などを保持している。さらに、従来のガラス繊維強化PPS樹脂と同様の射出成形機を用いて成形することが可能で、金属材料に比べ成形品のデザイン自由度が向上し、各種インサート成形複合成形への対応も可能であり、自動車、電気、機械など幅広い産業分野への展開が期待される。同社は今後、上市に向けて量産化技術の確立を急ぐ方針である。

今回の開発では、東レ独自の長繊維炭素繊維強化ペレット製造技術、及び炭素繊維とPPS樹脂の界面接着性を改良する技術を適用することで、射出成形可能なPPS系材料としては、世界で初めてアルミダイキャストと同等の引張強度レベルにまで到達させることに成功した。

東レは、炭素繊維トレカおよび繊維やフィルム分野にも展開する総合PPSメーカーであり、世界ナンバーワンの事業規模を誇るが、今後もこの世界ナンバーワン素材を組み合わせることで、これまでにない新しい価値を有する材料の提案を推進していく方針である。