2000年11月21日 |
東セロ、2002年春めどに徳島でOPPフィルム2万トン新設 |
国際コスト競争力を確保/東西2拠点体制で生産体制を再編 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:東セロ |
東セロは21日、徳島県徳島市において、2002年3月の完成予定で年産2万トンのOPP(ニ軸延伸ポリプロピレン)フィルム設備を新設する、と発表した。あわせてOPPフィルム生産体制を再編、生産能力は既存の茨城工場との合計で5万7,000トン体制に拡大する。 同社はポリオレフィンフィルムのトップメーカーで、茨城県では延伸・無延伸のPPフィルム、静岡県ではLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)フィルムを生産している。現在、OPPフィルムでは、茨城工場に6系列、汎用・特殊品の合計で年産約4万2,000トン(年産470万連)の生産能力を有しており、1999年度売上高は127億円となっている。 OPPフィルムの需要は、近年の廃棄物削減のためボトル容器から軟包装へのシフトが進んでいること、また塩素系フィルムから非塩素系フィルムに需要が置き換わるなど、環境面の要請から、今後年率3~4%の安定成長が見込まれている。これまで東セロは、茨城工場から全国に供給してきたが、数量の増加とともに物流の合理化やコストダウンが必要な状況となっていた。このため、徳島の子会社四国トーセロの有効活用、さらに3ルートの本州四国連絡橋により原料・製品輸送の面にも適していると判断、徳島市で約40億円を投じて大型の最新鋭設備を導入し生産能力の拡大を図ることにした。 今回の設備新設の基本理念は国際的なコスト競争力の確保にある。今後の国際化のさらなる進展、特に2004年の化学製品の関税引き下げにともない、原料樹脂・製品の国際的な一物一価は避けられず、最新鋭の設備で競争力を強化する考え。このため生産設備については、コストパフォーマンスの高さを尺度として、日米欧を調査、ベストの組み合わせを選択した。これにより、生産能力・生産効率とも世界最高水準の設備で汎用品を集中生産、大幅な生産性向上によりグローバルなコスト競争力を実現する。また新設備は、本日付で設立した東セロ全額出資の子会社「徳島トーセロフィルム」が操業、生産した製品を東セロが全量引き取って販売する計画。 新設備完成にともない東セロは、東西2拠点体制を構築、関西以西の顧客向けの汎用品を新設備で、これより東の顧客には茨城工場の最新設備の6号機で集中生産する。また茨城工場の1~5号機は、コーティングフィルムや多層フィルムなどの高付加価値製品を生産、一部は生分解性フィルムの生産に転換する。これらの結果、OPPフィルム生産能力は年産5万7,000トンとなり、東セロとしての同製品売上高は2004年度に150~160億円程度となる見込み。 なお、東セロは、今回の新設に先立って2001年4月に、大阪府高槻市に関西物流センターを設置、名古屋以西地域への物流のさらなる効率化を図るとともに、徳島の生産拠点と同センターの有機的連携や立地的メリットを最大限に生かし、西日本の事業を拡充していく計画。 |