2013年11月07日
理研、ストレスに対する防御応答バランスの一端解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所は7日、生物が持つストレスに対する防御応答のバランスを保つ機構の一端を、大腸菌を用いた実験で発見したと発表した。

ストレスを与えた環境で大腸菌を育成したところ、有害な過酸化水素を分解する酵素「方ラーゼ」とタンパク質のHfqが大きな複合体を形成することを発見した。
この複合体の構造を大型射光施設で解析したところ、HfqのRNA(リボ核酸)との結合に関与する部位にカタラーゼが結合していることがわかった。

これは、生体内にHfqの働きを制御して、タンパク質の合成量を調節し、ストレスに対する防御反応のバランスを保つ機構があることを示している。

この成果は、Hfqやその仲間のタンパク質が関わる多くの生命反応への理解を深めるとともに、得られた構造情報を基にタンパク質合成制御機構の生物工学への応用につながることが期待される。