2013年11月26日
昭和電工、高性能磁石用合金の開発に世界初成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:昭和電工
ネオジム鉄ボロン磁石用合金(フレーク状)

昭和電工は26日、高価なジスプロシウム(元素記号Dy)を使わないネオジム磁石用合金の開発に世界で初めて成功し、量産開始したと発表した。

ネオジウム磁石用合金は産業用モーターや風力発電用などに必要だが、原料にはこれまでレアアースの1つであるジスプロシウムが使用されてきた。磁石の耐熱性能を高めるために添加してきた。

だが、ジスプロシウムは希少性が高く、世界的にも資源量が限られている。採掘される地域も中国の江西省、広東省、福建省などの一部に限定されており、安定確保上の課題となっている。

昭和電工は今回、ジスプロシウム・ゼロ(Dyフリー)で高性能なネオジウム磁石合金を世界初技術で開発した。
ジスプロシウムを添加せずに添加品と同性能が維持できる特長を持つ。

同社はすでに、ジスプロシウム2%添加品と同性能のDyフリー磁石用合金を量産中だが、今回、4%添加品の性能まで向上させることに成功した。今後、同製品をFA(ファクトリーオートメーション:一般産業向け)ネオジム磁石用合金として市場開発していく方針。

来年中には、さらに6%添加品と同性能を持つDyフリー磁石用合金の開発を予定している。これにより自動車モーター分野を視野に入れた展開を図る考えだ。


ニュースリリース
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1385439359.pdf