2013年11月26日
理研、植物ホルモン「サイトカイニン」の作用解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所は26日、植物ホルモン「サイトカイニン」の作用が「量」の変化ではなく、サイトカイニン分子の側鎖の修飾による「質」的な変化によって制御されることを解明したと発表した。

理研では、tZ(トランスゼラチン)型サイトカイニンを合成するための側鎖修飾を担う酵素遺伝子を探索した結果、特定遺伝子を同定した。

同遺伝子の変異体を作製・解析したところ、iP(イソペンテニル アデニン)型サイトカイニンとtZ型サイトカイニンの作用が異なることを発見した。tZ型サイトカイニンは、葉や花茎など地上部の成長を促す作用を持つのに対し、iP型サイトカイニンにはそのような作用はなかった。

これらの結果から、サイトカイニン分子の側鎖の修飾による「質」の変化が、サイトカイニンの作用を制御していることが分かった。

サイトカイニンの新たな作用メカニズムが明らかになったことで、今後の農産物やバイオマスの増産のための技術開発に活かすことができると期待される。