2000年11月20日 |
PO樹脂の出荷の1~10月累計、輸出が全て前年割れ |
中国向けの不振が大きく影響、軒並み減は93年いらい |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
ポリオレフィン3樹脂の輸出が軒並み縮小傾向を強めており、今年1月から12月までの総輸出量は3樹脂全てが前年を割り込むことがほぼ確実となってきた。 ポリオレフィン業界筋の集計によると、今年1月から10月までの輸出の累計は、LDPEが22万7,850トンで前年同期比94%、HDPEが20万9,751トンで同85%、PPが29万9,447トンで同96%となっている。月を追って前年同月に対する縮小幅が拡大する傾向をたどっている。ちなみに、10月の対前年同月比は、LDPEが73%、HDPEが64%、PPが76%という低率になっている。 ポリオレフィン業界ならびに大手商社によると、こうした輸出の大幅縮小の主たる要因は、最大消費国の中国が、米国の景気の減速気配を睨んで汎用樹脂全体の買い付けを思い切って抑制する動きを強めていることにあると言ってよいようだ。また、台湾やシンガポール、さらには中東産油国のエチレンプラントとポリオレフィン装置の大幅新増設が相次いで完成しつつあってアジア地域全体のポリオレフィンの市況が下降してきているためポリオレフィン各社とも輸出すればするほど赤字が大きくなってきていることも少なからず影響していると見られる。 今年、ポリオレフィン3樹脂全ての輸出が前年を下回ることになれば、93年いらい7年振りとなる。ただし、93年の各樹脂の総輸出量は、LDPEが17万6,481トン(前年比68%)、HDPEが10万3,497トン(同69%)、PPが17万9,701トン(同82%)で、最近の絶対量を大きく下回っている。 |