2000年11月17日
三井化学、住友化学両社長が会見「世界のリーダー」目ざす
「21世紀迎え最善の選択」強調
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:住友化学、三井化学

 2003年10月に向けて『21世紀のグローバルリーダーを目ざす』と、全面的な事業統合を発表した、三井化学の中西宏幸、住友化学工業の米倉弘昌両社長は17日午後4時から東京・帝国ホテルで記者会見し、統合までのスケジュールや統合後のイメージなどを語った。この中で両氏は、市場のボーダレス化が進む中で、海外企業との競争はますます激化しようとしていると、今後の経営環境の厳しさを強調、「両社は互いに3世紀にわたる長い歴史と伝統をもち、企業体質も似ている。技術力、人材に優れ信頼できる最良のパートナーだ。シナージー効果は大きい」とそれぞれ口をそろえて、合意に満足していることを明らかにした。
 事業規模は一挙に世界第5位、統合3年後の2006年には売上高3兆円を目ざすという大構想の割には両氏の静かで、抑制のきいた語り口が印象的だった。
 両氏の主な発言内容は次の通り。

(1)<米倉社長>化学業界の経営環境は厳しくなると、香西前社長時代から「21世紀のグローバルリーダー」をどう目ざすかを話し合ってきた。三井化学とは同じような企業歴史をもち、経営陣には深い信頼感をいだいていた。高い技術力をもち社員も優秀だ。今回話がまとまって満足している。合併のために人員削減をするようなことは考えていない。新しい事業を展開する中で吸収してやっていけると思っている。

(2)<中西社長>今回の合意は意義深い。三井化学は97年10月に合併新発足していらい、世界で存在感のある総合化学会社を目ざしてさまざまな戦略を実行してきたが事業環境は予想を超える規模、スピードで変わりつつある。一企業の力では対応が難しくなってきた。お互いに特徴ある技術をもっているので一体となって最大限力を発揮していくようにしたい。今回の合意は両社にとって最善の選択だと思う。

(3)<持株会社について-米倉社長>2003年10月までに設立するが、単に合弁の持株会社をつくり、その下に現在の住友化学と三井化学がぶら下がっているといった形にはしない。その以前に事業部ごとに再編・統合がうまくいくよう周到に準備する。来年3月までには明確な姿をつくり上げたい。最終的には単一会社化(合併)したい。

(4)<ポリオレフィン事業について-中西社長>ポリオレフィン事業は来年10月をめどに事業統合する。両社で新会社を設立することになるが他にもパートナーがいるのでまだ断定的なことはいえない。シンガポールプロジェクトなど海外事業も含めた、競争力のある会社に発展していくだろう。

<参考>
http://www.c-nt.co.jp/news/world_sales1999.html">世界の化学会社売上高比較(1999年度)
http://www.c-nt.co.jp/news/olefin_capa.html">主要石油化学製品部門における統合新会社のポジション(生産能力)