2000年11月17日 |
SM、第5次値上げは大手ユーザーとの交渉が決着 |
キロ8~10円/今後各社減産体制へ |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:住友化学、電気化学工業、日本オキシラン、三菱化学 |
9月にSM(スチレンモノマー)メーカー各社が打ち出していた国内第5次値上げは、EPS(発泡ポリスチレン)や不飽和ポリエステルなど大手ユーザーとの交渉がほぼ決着したもようだ。値上げ幅はキログラム当たり8~10円で、11月1日から実施されている。現在は残る中小口ユーザーとの交渉を進めているが、SMの需要が落ち込んできたことから、減産を検討、あるいは実施し始めたメーカーも出て来ている。 今回、SMメーカー各社は、原料価格の高騰にコストが上昇、採算を圧迫していることを理由に、原料価格上昇分の価格転嫁を目指し、10月出荷分から10~12円の値上げを打ち出していた。交渉は比較的順調に進み、大手EPSメーカーをはじめ、不飽和ポリエステルメーカーとの交渉もほぼ決着しており、今後は中小口向けの決着を目指す考え。 ただし、欧米を含め全般的に需要が冷え込みつつあることから、すでに15%程度の減産を実施しているアメリカ勢に続いて、日本のメーカーも減産実施の検討を進めている。例えば住友化学工業は、需給がタイトとなっているPO(プロピレンオキサイド)を併産する日本オキシランについてはフル稼働を維持するものの、電気化学工業との合弁会社である千葉スチレンモノマーについては同社引き取り分(年産27万トンのうち10万8,000トン分)について、少なくとも年内は80%程度の稼動とする考え。また、三菱化学は来年5~6月に鹿島で定修、7~8月はシンガポールのセラヤ・ケミカルズで定修を予定しているため、これらに備えた在庫の積み増しは行うものの、市場の動向にあわせ必要があれば減産も検討する考え。 なお、SMの値上げが決着したことで、PS(ポリスチレン)の4次値上げも最終段階を迎えるものと予想される。 |