2000年11月16日 |
EPSの業界平均稼動率が大幅に向上へ |
三菱化学フォームプラの設備縮小で80%台に |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業、三菱化学、三菱化学フォームプラスティック |
三菱化学フォームプラスティックが10月末をもって発泡スチレンビーズ(EPS)の生産設備の縮小に踏み切ったことで、同製品業界全体の当面の平均稼働率は80%台に改善される公算が濃厚となってきた。 三菱化学フォームプラスティックが今回実施した設備の縮小規模は年産1万5,000トン。同社はこれまで四日市工場で同7、万トン、鹿島工場で同3万トン、合計同10万トンの設備を稼動させてきた。今回はそのうちの四日市工場内の設備を同5万5,000トン能力に縮小したもの。これによって、昨年来続いてきた主要EPSメーカーによる過剰設備対策は一段落した。 EPS業界の総設備能力は度重なる新増設によって98年には同31万5,000トンに達し、その結果平均操業率は60%台に落ち込む事態となっていた。しかしその後、湘南積水工業の同1万トンの設備削減、大日本インキ化学工業の撤退(同3万トン)と続き、そして今回の三菱化学フォームプラスティックが同1万5,000トンの設備処理を実施したことで同業界の総設備能力は5社合計同26万トンに縮小し、これに伴い全体の需給バランスが著しく改善される見通しが出てきた。 同製品メーカーはこれを支えに、市況の健全化と新市場開拓に本腰を入れて取り組む構えである。 |