2014年01月30日
筑波大など、固体量子ビットの量子エラー訂正に世界初成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

科学技術振興機構(JST)は30日、筑波大学と日本原子力研究開発機構(JAEA)が共同で、室温での固体量子ビットの量子エラー訂正に世界で初めて成功したと発表した。実用的な固体量子情報デバイス開発への道を開くと期待されている。

量子情報は、環境からのノイズによってたやすく壊されてしまうため、量子エラー訂正なしには量子コンピューティングは実現しないと言われてきた。

共同研究グループは、ダイヤモンド中のカラーセンターの1つであるNVセンターの単一欠陥(単一分子に相当)を用いて、電子スピン1個と核スピン3個からなるハイブリッド量子レジスタを作成した。これを用いて、室温動作の固体スピン量子ビットでは世界で初めて、量子エラー訂正のプロトコルの実証に成功した。

これは、量子デバイス、量子コンピューティングに必須の量子エラー訂正における大きなブレークスルーである。この成果により、量子中継器など、実用的な固体量子情報デバイス開発、量子コンピュータの実現に向けて大きく前進したことになる。