2014年01月31日
トクヤマ、乾式シリカ表面処理設備を一部中国に移設
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:トクヤマ

トクヤマは31日、徳山製造所にある乾式シリカの表面処理設備(年産2000トン)の一部を中国子会社である「徳山化工(浙江)有限公司」に移設すると発表した。投資額は840万米ドル(約8億5000万円)。設備の約半分を移す。2015年6月営業運転開始の予定。

トクヤマは現在、徳山事業所に乾式シリカ(商品名:レオロシール)設備を年産20,000トン、表面処理グレード設備を同2,000トン持ち、幅広い用途に向け展開中。一方、徳山化工は現在年産10,000トンの乾式シリカ設備を有するが表面処理設備は持っておらず、伸長が続く中国・アジア市場への対応が課題だった。

乾式シリカ表面処理グレードは、塗料、接着剤、インキ等の用途で粘度調整剤、沈降防止剤、流動化剤として広く使用されており、トクヤマではこれまで、日本からのプレマーケティングによって積極的に市場開拓に取り組んできた。2拠点体制とすることで生産の最適化と事業収益向上を図る。

<計画の概要>
(1)社名 : 徳山化工(浙江)有限公司
(2)事業内容: 乾式シリカの製造・販売及び塩化シランの製造・販売
(3)計画生産品目: 乾式シリカ表面処理グレード
(4)投資額 : 840万US$
(5)着工予定 : 2014年5月
(6)運転開始 : 2015年6月(予定)

【用語の解説】
■乾式シリカとは : 工業的に生産される二酸化珪素(SiO2)のことで、ヒュームドシリカとも呼ばれる。
SiCl4(四塩化ケイ素)と酸素、水素を燃焼反応させ、凝集・分離・冷却などの工程を経て生産する。主な用途は、シリコーン樹脂の充填材、不飽和ポリエステル・エポキシ樹脂・塗料等の垂れ防止剤など。