2000年03月06日
PS製容器の安全性には問題なし
スチレン工業会が都の発表に見解を表明
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会は、東京都が3日に発表したポリスチレン製容器の安全性に関する意見に対する見解を取りまとめ、その内容をこのほど明らかにした。
 東京都の発表内容は、”ポリスチレン容器の場合、製造方法によってスチレンダイマー・トリマー(SDT)の溶出量に差が生じるので生産者や販売者はより溶出の少ない材料を選定すべき”というもの。
 これに対して同工業会では、同容器の安全性は国の内外の多くの専門家や専門機関の試験・研究によって確認されており、今回の都の発表はその点に疑問をはさむ性格のものではないと強調している。
 同工業会の見解は次の通り。(1)容器の製造法によってSDTの含有量や溶出量に差があることは周知のことで、都の発表内容は新しい知見のものではない。厚生省、環境庁、農水省、通産省などは、いずれもこうした点も踏まえて同容器の安全性に問題がないとの見解をまとめている。(2)SDTの健康影響については、国立医薬品食品衛生研究所の報告を皮切りに複数の学術専門誌に女性ホルモン作用がないとの研究・試験結果が紹介されている。また当工業会でも、妊娠中の胎児や幼児に有害影響をおよぼす事がない点を実験動物によって確認し、公表してもいる。(3)しかも当工業会では、最も溶出の多い材料を基準にその1000倍以上の安全率を取ってなお健康影響がないことも確認している。したがって、ポリスチレンシートを材料とする容器であっても何ら心配はないと言える。