2014年02月12日
東レ、単層CNT薄膜トランジスタで世界最高レベルの移動度達成
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

東レは12日、単層カーボンナノチューブ(CNT)薄膜トランジスタ(CNT-TFT)で、塗布型TFTとしては世界最高レベルの移動度13cm/VS、オンオフ比10の6乗を達成したと発表した。

半導体純度を大幅に高めた単層CNTと同社が独自に開発した半導体ポリマーを複合化することにより、単層CNTの高い半導体特性を引き出すことに成功した。
今後、2016年頃の実用化を目指し、塗布型半導体としての技術確立を進めていく方針。

同社は今回、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクトの成果である、半導体純度を大幅に高めた単層CNTと独自に開発した半導体ポリマーを複合化することで世界最高レベルの移動度を達成した。

この移動度は、半導体純度を高める前の単層CNTに比べ5倍以上、従来のアモルファスシリコン比で10倍以上であり、単層CNTの半導体ポテンシャルを十分に引き出した結果といえる。また、金属CNTによる電極間の短絡可能性が大幅に低下したことで安定した特性が得られるようになり、素子間のバラツキを4分の1にまで低減することができた。
同成果は、3月17-20日に青山学院大学で開催される春季応用物理学会で発表する。