2014年02月14日
北陸先端科学大、世界最高耐熱のバイオプラ開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

科学技術振興機構(JST)は14日、JST課題達成型基礎研究の一環として北陸先端科学技術大学院大学が遺伝子組換えをした微生物から得られるシナモン類に光化学的手法を用いて、世界最高耐熱性のバイオプラスチックの開発に成功したと発表した。

低炭素社会の構築に必須のバイオプラスチックには、耐熱性や力学特性に問題点があった。
北陸先端科学技術大学は今回、バイオプラスチックの材料として、堅い構造の天然物で香辛料の成分であるシナモン系分子に注目した。シナモン系分子を多く生産する微生物を遺伝子組換えにより構築することでその生産性を証明した。

さらに光反応と高分子量化を行い、微生物由来のバイオプラスチックであるポリイミドを世界で初めて作成した。

同樹脂は、耐熱温度が従来報告されている最高耐熱の芳香族バイオポリエステルの305℃を超える390-425℃を達成した。鉛フリーはんだの融点(378℃)を超えているため、電装部品での使用が見込まれる。また、線熱膨張係数が40PPM/K以下と金属並みに低く、金属代替材料として自動車のエンジン周りに使用することで、自動車の軽量化も期待できる。