2000年11月16日
アジアのポリオレフィン相場が急落
多くが10月比100ドルダウン
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:日本ポリケム

 ポリオレフィン業界ならびに大手商社筋によると、ポリオレフィンのアジア地域の相場がここにきて一段と下がってきた。1ヵ月前に比べると、トン当たり100ドル前後のダウンとなったものが多い。短期間におけるこれだけ大幅な下落は最近では異例。
 サプライヤーサイドの現在のオッファー価格は、HP-LDPEがトン当たりC&F平均700ドル、L-LDPEが同650ドル、HDPEも同650ドル、PPのホモポリマーが同590ドル--となっている。10月初旬に比べると同80~120ドル下がっている。しかも中国を始めとした需要家側はさらにオッファー価格の引き下げを強く求めているという。
 商社ならびにポリオレフィン業界によると、今回のアジア市場における相場の急落の主因は、北米、ブラジル、中東といった遠隔地から余剰玉が大量にアジア地域に流入し始めたことにあると言ってよいようだ。これまで旺盛な国内需要に支えられてきた北米の樹脂メーカーが最近の内需の縮小傾向に対処して一斉にブラジルやアジア市場に活路を求めるようになり、それによって厳しい立場に追い込まれたブラジルや中東、さらには韓国などのポリオレフィンメーカーが価格面で防衛に出始めたのが現在の混乱の要因と見られる。
 こうした中で日本のポリオレフィンメーカーの多くは、最近の安値オッファーを思い切って見送る行動にでている。現在の価格での契約では明らかに赤字輸出となるからで、日本ポリケムなどは、現在のレベルで推移する限り当面の契約は完全に中断せざるを得ないとしている。