2014年02月19日 |
三菱化学、有機薄膜トランジスタで世界最高レベルの移動度 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:三菱化学 |
三菱化学によると、米国カリフォルニア大学サンタバーバラ校(米カリフォルニア州)内にある「三菱化学先端材料研究センター(MC-CAM)」がこのほど高分子材料を用いた有機薄膜トランジスタの研究開発で世界最高レベルの電荷移動度を達成し、その成果をAdvanced Materials誌に発表した。 関連ファイル http://engineering.ucsb.edu/news/753 薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor=TFT)は、主に液晶ディスプレイなどの画素スイッチとして用いられ、現在はシリコン系半導体材料(多結晶シリコンTFT及びアモルファスシリコンTFT)が広く使われている。 しかし、多結晶シリコンTFTは一般に電荷移動度は高いものの、多結晶のために均一性に乏しく大面積化が困難。アモルファスシリコンTFTは、プロセス温度が多結晶シリコンよりも低く、均一性が高いため大面積化は可能だが、電荷移動度が低く次世代ディスプレイに不適といった課題をそれぞれ有する。 一方、有機TFTは、シリコン系TFTよりも柔らかく塗布による低温での製造プロセスが可能で、大面積でフレキシブルなデバイスがより安価に作製可能になると期待されるが、実用化のためには電荷移動度が課題だった。 今回、MC-CAMでは、Heeger教授によるデバイス作製技術と、Bazan教授による高分子合成技術、Nguyen教授によるデバイス解析技術を組み合わせ、23.7 cm2/Vs と世界最高レベルの電荷移動度を達成した。 有機TFTの実用化に向けて、大きく前進したものとして注目される。 <MC-CAM> URL: http://www.mc-cam.ucsb.edu/ ニュースリリース http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1392789969.pdf |