2014年02月25日
生物研など、アリの情報交換に関わる新型タンパク質発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:農林水産省

農林水産省の農業生物資源研究所(生物研)は、富山県立大学、東京大学、筑波大学と共同で、アリの情報伝達物質に特異的に結合し、輸送する新規タンパク質を発見したと発表した。このタンパク質を標的とすることで、害虫のアリ以外には作用しない安全で環境に優しい農薬の開発につながると期待されている。

生物研などは、クロオオアリの働きアリの触角から社会性の維持に必要な情報伝達物質を輸送する新たなタンパク質「アリNPC2」を発見した。アリNPC2は、これまで知られていた、数種類の情報伝達物質だけを運ぶ輸送タンパク質とは異なり、オレイン酸などの脂肪酸、酢酸ヘキサデシル、酢酸オクタデシル、リノレイアルコールなど幅広い種類の情報伝達物質と幅広く結合し、輸送することがわかった。

今回明らかにした立体構造をベースに、アリNPC2を標的とした薬剤を創出することにより、害虫アリには効果を示すが、ヒトや他の生物には悪影響を及ぼさない環境に優しい薬剤の開発につながると期待されている。