2000年11月15日
今年のエチレン生産、前年割れの公算
原料高、海外市況悪化響く
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:昭和電工

 今年のエチレン生産量は、原料ナフサの高騰が響き、前年の768万6,000トンを下回る公算が強まった。今年は夏場に定修前の備蓄増産が行われたこともあり、1~8月の生産累計が前年同期比0.8%増を記録するなど高水準を示したが、その後は1~9月0.5%増、1~10月には0.3%増と増加幅が縮小、残りの11、12月の動向次第では前年を割り込むことになる。
 石化業界ではナフサ価格の高止まりと、輸出環境の悪化からエチレン系誘導品メーカーを中心に減産強化の動きが高まっており、エチレンの需要にハネ返ることは確実。またセンター会社の中には、エチレンの国際市況低迷から生エチレンのスポット輸出を見送るところが出てきた。
 通産省によると、10月のエチレン生産量は63万3,600トン、1~10月累計生産量は632万8,000トンで1999年1~10月の生産累計631万900トンとの差は0.3%、1万8,000トンに縮まっている。
 設備面では2月から京葉エチレンの増設分解炉が稼動入りしたが、8月末には昭和電工が1号機23万1,000トンを休止、2号機(年産60万トン)の増設分を差し引いても15万トン能力が縮小している。