2000年02月29日 |
発泡スチロールのリサイクル率、昨年は55%に |
再資源化協会の第二次計画の目標を予定通り来年クリア |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:積水化成品工業 |
発泡スチロール(EPS)再資源化協会の中西収会長(積水化成品工業社長)は29日、朝見博副会長(優水化成工業会長兼社長)とともの記者会見し、同協会が取り組んでいるEPS加工製品のリサイクルの現状を説明、合わせて当面の課題についても所信を披露した。 それによると、同協会が推進してきたEPSのマテリアル・リサイクルの昨年における実績は6万400トンで、前年の実績を3,600トン(6.3%)上回った。EPSの同年の国内流通量は18万2,000トンであったので、リサイクル率は33.2%ということになる。前年に比べて2ポイント上がっている。かねてから同協会は、2000年におけるリサイクル率(マテリアル・リサイクル率)を35%とする第二次五ヵ年計画をまとめてその実現に取り組んでいるところだが、この目標は十分クリアできる見通しがたったと説明している。サーマルを合わせると60%近くになるという。 EPSのリサイクルについては、地方自治体が、燃焼による熱・発電利用(いわゆるサーマル・リサイクル)も進めており、昨年の実績は3万9,600トンになった。この場合のリサイクル率は21・8%ということになる。前年の2,600トン(7%)増で、リサイクル率は1.5ポイントアップとなっている。 これを合わせた場合のリサイクル率は55%となる。前年を3.5ポイント上回っている。米国の包装材料用EPSのリサイクル率(マテリアル・リサイクル率)は10%であり、またEUのEPSのリサイクル率(サーマルを含む)は35%である。こうした点からもわが国のリサイクル率は極めて高いと言える。 同協会は、リサイクル活動の推進策の一つとして、同製品の回収・リサイクル拠点「エプシー・プラザ」の全国展開に力を入れている。昨年1年で20箇所増えて29日現在の「エプシー・プラザ」数は138ヶ所となっている。同協会の第二次五ヵ年計画ではこれを160ヵ所とする目標を掲げているが、これもクリアできる見通しという。 同協会では、2000年以降も引き続きリサイクル率の拡大を図っていく考え。今年5月には、2001年からの第三次五ヵ年計画を作成することにしている。 また同協会では、こうしたリサイクル率の拡大に加え、家電メーカーなどユーザーとの連携によるビジョン検討会「2005年会」でのEPSの将来のあるべき姿に関する討議、さらには、再生品の新用途の開発(インゴットの土木工法への活用など)、海外各国と連携しての世界規模でのリサイクルの推進など多彩な活動を展開している。 今後は、当初の目標である”マテリアル・リサイクル率35%”の実現を最重要課題に掲げ、「より地域密着型リサイクル活動の推進」「容器包装リサイクル法への適切な対応」「アジア地域全体のリサイクルの拡大」といったテーマに取り組んでいくとしている。 なお、発泡スチロールの国内流通量及び回収対象量と再資源化量およびリサイクル実績は下記のとおり。 http://www.c-nt.co.jp/news/jepsra.html"">発泡スチロールのリサイクル実績 |