2014年02月27日
クラレ、“食品ロス”対策に「エバール」フィルム
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:クラレ
「エバール」フィルムを使った惣菜容器

クラレは27日、プラスチックの中で最高レベルのガスバリア性を持つ「エバール」フィルムを、食品トレーや総菜容器向けに積極展開すると発表した。「食品ロス」が世界的に問題となるなか、同フィルム容器は食品の賞味期限延長に効果を発揮するとみられる。

日本では最近、単身者の増加や高齢化進行によって弁当や総菜の需要が増えているが、一方では店頭での売れ残りや賞味期限前の返品などが“大きな経済ロス”として問題になっている。

「エバール」フィルムはEVOH樹脂(エチレンービニルアルコール共重合体)が原料。ガソリンタンクにも採用されるなど気体の遮断性に優れる特徴がある。食品容器に使用すれば、内容物の長期保存ができ
「食品ロス」を減らす効果が期待できる。

同社では食品トレー・容器に用いるメリットとして以下の点をあげ、今後積極的に市場開拓していく方針だ。
(1)厚みのバリエーションが豊富で、層構成の自由度が高い。
(2)ドライラミネートや熱ラミネートといった手法で、ポリエステルやポリスチレン、ポリプロピレンなどの異種材料とも簡単に積層化できる。
(3)既存のラミネート加工設備を使用できるので導入が容易。
(4)共押出シート(複数の押出機を使い、溶融した樹脂を同時に押出し、多層ラミネートシートを作製する方法)と比較して、多品種小ロット生産が可能なことから、コストと性能の最適化が図れる。
(5)木目などを印刷したフィルムとの組合せで意匠性付与が簡単にできる。
(6)トレー・容器の再商品化の際にも装置腐食などの心配がない。


ニュースリリース
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1393487948.pdf