2014年04月08日
国立がん研と塩野義、微量血液で大腸がん検診
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:塩野義製薬

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は8日、NEDOの「がん超早期診断・治療機器の総合研究開発」プロジェクトに取り組んでいる国立がん研究センターと塩野義製薬の研究グループが、従来の40分の1の血液量で半日以内に大腸がんの診断が可能な検査手法を開発したと発表した。

がん細胞に特異的なタンパク質や小さな核酸(マイクロRNA)を含むエクソソーム(細胞から分泌される核タンパク複合体)を利用して、従来法では1日かかるエクソソーム検出を約1.5-3時間に短縮し、検出に必要な血液(血清)量もわずか5マイクロリットルと簡便にすることができる方法を開発した。

大腸がん細胞が分泌するエクソソームに多く含まれるタンパク質の存在を明らかにし、大腸がん患者の血液から大腸がんが分泌したエクソソームを検出した。また、大腸がん患者194人と健常人191人の血清を解析した結果、従来の血液検査と比較してAUC(診断能評価の指標)が高い結果となった。さらに、従来の血液検査では見つけることができなかった早期がんの検出の可能性があることを確認した。

NEDOでは引き続き研究開発を支援し小型質量分析計との組み合わせによる実用化を目指す。