2000年11月13日 |
丸善石化も段階的にエチレンの生産縮小へ |
アジア地域の需給の緩和と相場の軟化に対処 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:丸善石油化学、エクソンモービル |
エチレンセンターや誘導品メーカーの間ではアジア地域全体の石油化学製品の需給の緩和と市況の軟化に対処してオレフィンならびに主要誘導品の減産に踏み切るところが増えているが、丸善石油化学も12月から同じ背景から徐々にエチレンの生産を縮小していく方針を固めた。 同社の場合、かねてからオレフィンの輸出比率が高く、この数年の年間平均の輸出量はエチレン、プロピレンともおおむね10万トンに達している。主な輸出先はインドネシア、韓国、フィリピン、台湾などのアジア諸国となっている。これら諸国を中心としたアジア地域におけるオレフィンの需給はこの数年おおむねタイトバランスで推移してきており、このため同社もこれまではほぼ希望とおりの条件でこれらの国々にオレフィンを供給してこれた。 しかし今年春以降は、インド・ハルディア、サウジアラビア・ヤンペット、台湾・FPCなどが大型エチレンプラントを相次いで新・増設し、さらに今年末から来年始めにかけシンガポール・エクソンモービルやサウジアラビア・ペトロケミヤおよびケミヤが同様に大型エチレンプラントと誘導品装置を完成・稼動に入る予定にあり、同地域の市場にはオレフィンならびに誘導品の余剰感と先安感が急速に広まってきている。そしてそれに伴い同社などわが国のエチレンセンターや商社に対する引き合いが急速に縮小、同時にオッファー価格も下降傾向をたどり始めている。 丸善石油化学はこうした傾向は今後一段と顕著になると判断、しばらくは減産が必要との結論に達したもの。来年春まで段階的に操業率を引き下げていく構えだ。 |