2014年04月11日
「新エネルギー基本計画」閣議決定
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省

経済産業省は11日、東日本大震災後最初となる、第4次「エネルギー基本計画」が閣議決定したと発表した。

「わが国のエネルギー安全保障をめぐる環境は厳しさを増している」とし、中長期(今後20年程度)のエネルギー需給構造を視野に入れて、今後取り組むべき課題や方針をまとめた。

(1)わが国エネルギー需給構造が抱える課題(2)需給施策についての基本方針(3)長期的、総合的に講ずべき施策(4)戦略的な技術開発推進(5)国民理解の深化、の5章で構成。A4判 78ページ。

この中で、わが国が抱える構造的な課題として「供給体制の根本的な脆弱性」をあげ、「わが国が目指すべきエネルギー政策は、世界の英知を集め、徹底した省エネルギー社会の実現、再生可能エネルギーの導入加速化、蓄電池・燃料電池による分散型エネルギーシステムの普及拡大、メタンハイドレート等在来型資源の開発、放射性廃棄物の減容化など、あらゆる課題に向けた政策でなければならない」とした。

国際的な構造変化については、「米国はシェールガス開発によって2018年には天然ガスの純輸出国になることが見込まれる。米国から欧州へは石炭の輸出が拡大しており、欧州では石炭火力発電への依存が深まりつつある」、また「中東地域はエネルギー需要の増大するアジア地域への供給を拡大し、アジアは中東地域への依存をさらに深めていく可能性がある」などと分析。「日本としては国際秩序の形成につとめていく必要がある」とした。

原子力エネルギーについて、「新興国を中心に、化石燃料を補完する有力なエネルギー源として、原子力を拡大しようとする動きが見られる」と指摘。「原子力の平和・安全利用、不拡散問題、核セキュリティへの対応は、エネルギー需給構造の安定化だけでなく、世界の安全保障の観点からも重要な課題である」と強調。その上で「原子力をめぐる議論は、一国に閉じた議論だけでは十分に対応できない。より国際的な観点から取り組んでいかなければならない」と説いた。


ニュースリリース
http://www.meti.go.jp/press/2014/04/20140411001/20140411001-1.pdf