2014年05月13日
三菱ケミカル、大陽日酸の買収を発表
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱ケミカルホールディングス、大陽日酸
握手する小林(左)、田辺の両社長

三菱ケミカルホールディングス(MCHC)の小林喜光、大陽日酸の田邊信司両社長は13日記者会見し、資本業務提携関係を強化することで合意したと発表した。MCHCは大陽日酸の株式51%を買収する。三菱化学、田辺三菱製薬、三菱樹脂、三菱レイヨン、生命科学インスティテュートに次ぐ6番目の基幹事業会社となる。上場は維持する。

MCHCグループは現在、大陽日酸株式の26.9%を保有しているが、11月上旬をめどに公開買付により保有株式数を51%まで増やす。買付予定数の上限は1億400万株強。買付価格は1株当たり1,030円の予定。前日(5月12日)の東証終値802円に対して28.43%のプレミアムを加えた金額となる。買付けに必要な資金は1,072億円。

両社は、今後のグローバルな競争環境の変化に対応していくためには事業基盤のさらなる強化が不可欠で、そのためには同一グループとして協力し、一層の事業シナジー創出が必要と判断した。

大陽日酸はわが国の大手総合ガス会社で2014年度の売上高5,500億円、営業利益350億円。2022年度までに売上高1兆円を目指す。

北米でのシェールガス革命を今後の事業機会としてどうとらえていくかが今後のポイントとなる。
MCHCは北米市場で独自技術によるEVOHの増設やα法MMAプラント建設を進めておりこれには特殊な工業用ガスが必要となる。大陽日酸も北米市場拡大に積極的でMCHCグループの協力が事業基盤拡大につながる。

【小林喜光社長】グローバル競争が激しくなる中で日本の化学メーカーとして将来を考えると、このままテリトリーを米国やサウジ、中国などに広げてマーケットで戦っていくのか、日本のテリトリーでも勝てるように高付加価値製品を展開していくかの2つに1つしか道はない。だが大陽日酸と協力すれば両方が実現できる。うまくシナジーが発現できるようにしたい。非常に相性のいい相手だ。

【田邊信司社長】ガス事業も厳しい経営環境下にあるが、長期ビジョンとして14年度5,500億円の売上高を2022年度までに1兆円に拡大するという大きな目標を持っている。この実現のためにはそれなりに利益をあげていかなければいけない。MCHCの経営方針の下で新たなシナジーが創出できればと思う。上場会社として、独立性、自主性、透明性を確保しながらやっていきたい。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1399961779.pdf