2014年05月15日 |
生物研、5カ年計画で「アジア植物遺伝資源構想」推進 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:農林水産省 |
農業生物資源研究所(生物研)は、農林水産省の委託プロジェクト「海外植物遺伝資源の収集・提供強化」事業を受託し、平成26年度から5年間にわたり、ベトナム、ラオス及びカンボジアと植物遺伝資源の特性解明等に関する二国間共同研究を開始する。 これは、海外植物遺伝資源のアクセス改善に向けた取り組みであり、来年度以降はさらに対象国を追加し、アジア地域の植物遺伝資源を相互利用できる環境を整える「アジア植物遺伝資源(PGR Asia)構想」の実現に向けて活動を展開する方針である。 生物研では、イネや野菜など植物遺伝資源の宝庫であるアジア諸国との二国間共同研究を通じて、高温耐性や病害虫耐性などに優れた育種素材(植物遺伝資源)を探索し、それらの遺伝的な特性情報を公開することによって、国内の公設試験場や種苗会社等が行う育種事業を支援し、「攻めの農林水産業」を推進する画期的な新品種の開発を推進する方針である。 具体的には、初年度の平成26年度はベトナム、ラオス及びカンボジアの3カ国の関係研究機関と共同研究合意書を締結し、野菜(キュウリ、メロン、カボチャ、ナス、ピーマンやパプリカを含むトウガラシ属)及び穀類(イネ、アマランサス、ソルガム)について、特定の病害抵抗性や機能性成分に関する特性情報を解明し、わが国の公設試験場や種苗会社等が育種利用できる環境を整備する。また、それら6作物について、DNA(デオキシリボ核酸)マーカー選抜育種等に活用できる「標本コレクション(コアコレクション)」を作成し、国内の必要な者に配布できるようにする。 さらに、共同研究相手国の研究者をわが国に招請し、特性情報の評価手法等を技術移転することにより、相手国における育種事業を支援し、植物遺伝資源の相互利用に向けた両国間の協力関係の深化を目指す方針である。 |