2000年11月08日
ポリアセタール、早期の輸出価格引き上げ目指す
需要堅調で各社ともアジア地域の設備はほぼフル稼働へ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:ポリプラスチックス

 POM(ポリアセタール)は、10月中に各社とも国内外の値上げを打ち出し交渉を進めているが、特に輸出価格は早期に引き上げ、トン当たり1,700~1,800ドルの水準に持っていきたい考えだ。需要は堅調に推移しており、日本を含むアジア地域の設備のほとんどがフル稼働となっている。
 POMの需要はアジア経済の回復とともに増えてきており、ほとんどのメーカーがフル稼働となっている。今春、マレーシアで新設備を稼動させたポリプラスチックスも、当初は富士工場の一部の系列を止め、稼動率を約60%まで落としていたが、すでにマレーシアがフル稼働となっており、富士の稼働率も徐々に引き上げている。富士工場は年産10万トンの生産能力を有しているが、現在は年間7万8,000トンペースの稼動に戻している。
 一方、POMの東南アジアの市況は、現在トン当たり1,500ドル前後となっている。POMメーカー各社は、昨年末以降、特に落ち込んでいた中国向けを中心に段階的に価格引き上げに取り組んできた。
 先に述べたように数量面では、比較的好調なPOMだが、最近のメタノールを中心とした原料価格の値上がりにより採算的にはなおも厳しい状況が続いており、早期に国内外の値上げを実現したい考え。