2014年06月30日
三菱レ、米国子会社で炭素繊維設備を増強
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

三菱レイヨンは30日、米国の100%子会社である三菱レイヨン・カーボン・ファイバーコンポジット(MRCFAC社)で炭素繊維生産設備を増強することを決定したと発表した。

年産能力2000トンの生産設備を既存のサクラメント工場内に増設し、2016年中頃に稼働開始する予定。新設備稼働後の同工場年間生産能力は、倍増の4000トンになる。

世界の炭素繊維需要は、年率20%以上の伸びを示している。とくに米国では、シェールガス開発による天然ガス価格の低下や、各国の自動車排ガス規制強化の動きから大型トラックを中心に圧縮天然ガス(CNG)への燃料転換が進んでおり、車両に装備する燃料タンク圧力容器用途の需要が急速に伸長している。

また、シェールガスなど世界的な天然ガス製造・消費の拡大を背景に、大規模輸送用の大型圧力容器の需要も増加している。燃料電池車(FCV)の高圧水素ガス燃料タンクや水素ステーションの貯蔵タンクにも使用される見込みで、2020年に向けて更なる需要伸長が予想されている。

三菱レイヨンでは、MRCFAC社を高性能レギュラートウ炭素繊維の供給拠点と位置付け、北米を中心とする需要増大に対応する体制を強化。炭素繊維・複合材料事業のバリューチェーンをグローバル展開していく方針である。