2000年11月07日 |
ポリカーボネート、アジア市況は4年ぶりの高水準で推移 |
ディスク向けを中心に超タイトな状況続く/メーカーは先行きを懸念 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:バイエル |
PC(ポリカーボネート)は、依然としてタイトバランスで推移しているが、現在の東南アジア市況はトン当たり3,200ドル前後と、4年ぶりの高水準が続いている。 PCの市況は、1996年にトン当たり3,700~3,800ドルを記録、その後は需要の拡大とともに汎用化が進んだ結果、市況は下落傾向が続き、今年初めには2,500ドルを割り込んだ。しかし、アジア経済の回復にともなう需要の伸びに加え、3月にはタイ・ポリカーボネート、5月末には米国バイエルで事故が発生したことから、急速に需給がタイト化、これ以降汎用グレードの市況は一気に3,000ドルを突破し、現在も3,200ドル前後の高値となっている。 特にディスク用途は、パソコン需要の成長とともに急速に需要が拡大しており、春先の事故の際には一時4,000ドルを越えた。このため、現在新規参入を含め各社が相次いでPCの新増設計画を進めているが、多くの計画がディスクグレードの生産を主眼に置いている。しかし、現状は極めてタイトな状態が続いている。 この影響を大きく受けているのがPC/ABSやPC/PSなどのアロイで、需要自体はOA機器のハウジング用途を中心に堅調であるものの、PCメーカーは「アロイ用途にまわす余裕がない」ため、アロイメーカーは十分に材料を調達することが困難となっている。 PCメーカーも、「現在は異常な事態であり、市況が上昇しているとは言え、原料も値上がりしている上に、(1996年の時と比べると)為替の影響で手取りは少ない」として、先行きを懸念している。 |