2014年07月10日
JST、カネカの植物樹脂「実用化に成功」認定
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:カネカ、科学技術振興機構、理化学研究所

科学技術振興機構(JST)は10日、カネカが理化学研究所(野依良治理事長)の研究成果をもとに、植物油脂原料から微生物発酵を利用して生分解性樹脂の製造技術の開発に成功したと発表した。

これは、JSTが独創的シーズ展開事業「委託開発」の啓発課題「植物由来生分解性樹脂」の開発結果を、成功と認定したものである。カネカに委託して企業化開発を進めていた。

今回開発に成功した生分解性樹脂は、脂肪酸や油脂類を炭素源として微生物が体内に蓄積するポリヒドロキシアルカン酸系熱可塑性ポリエステル樹脂のPHBH(3-ヒドロキシブチレート-CO-3-ヒドロキシヘキサノエート重合体)で、硬質なポリ乳酸と比べてポリエチレンに似た柔軟性を持つ特徴がある。

今回、野生のPHBH生産土壌細菌を高生産菌品種改良し、微生物培養条件および精製条件を最適化することで、実証設備で生産能力年間1000トンが実現でき、商業化設備の検討を本格化させていく方針である。