2014年07月14日
富士フィルム、従来比約100倍の抗菌コート開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:富士フイルム

富士フィルムは14日、従来品と比べて、約100倍の抗菌性能を有する銀系抗菌コート技術「HYDRO AG(ハイドロ エージー)」を開発したと発表した。高齢者などの感染リスク対策が急がれる中、医療機関や公共施設などのタッチパネル抗菌保護フィルムとして販売していく方針だ。

開発した抗菌コート技術「HYDRO AG」は、銀系抗菌剤(銀イオンを徐々に放出する機能を持ったセラミック微粒子)を分散した、水となじみやすい超親水性の樹脂を塗布する技術。
一般に、銀系抗菌剤を使った抗菌コートは、抗菌剤に空気中の水分などが作用して銀イオンが溶出される。この銀イオンは、細菌の細胞表面にある酵素と結合して細菌を不活化する。このため、塗布膜表面の銀イオン濃度を高めることで、細菌の増殖を抑制する性能を向上させることができる。

従来の銀系抗菌コートには、水となじみにくい非親水バインダーが用いられてきた。塗布膜表面に露出した銀系抗
菌剤に水分が作用した場合だけ銀イオンが溶出され、細菌の増殖を抑制していた。しかし、塗布膜表面にある銀イオンはそれに伴い消費される。また、塗布膜表面に何かが接触して抗菌剤自体が失われることもある。

これに対して「HYDRO AG」は、水となじみやすい超親水性バインダーの中に銀系抗菌剤を分散しているため、塗布膜表面だけでなく、塗布膜内部からも銀イオンを供給する。これにより、塗布膜表面の銀イオン濃度が高くなり、
従来にない高い抗菌性能を発揮する。抗菌効果も長期間持続することになる。

同社は7月16~18日、東京ビッグサイトで開催される「国際モダンホスピタルショウ2014」に同液晶保護フィルムを出展する。


ニュースリリース
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1405304837.pdf