2000年11月06日
出光石化、台湾プラスチックとアルファオレフィンを共同事業化へ
2003年めどに台湾で20万トン設備建設
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 出光石油化学は6日、台湾のFPC(台湾プラスチック)と共同で、アルファオレフィン事業化する、と発表した。現在2003年頃の稼動をめどに年産20万トン規模の設備建設を想定したFS(事業化調査)を推進中だが、検討はすでに最終段階に入っており、年内には共同事業化で合意する見通し。
 出光石化は1989年、千葉において独自開発技術により年産5万トンで事業化、その後の増強により現在は6万トンの生産能力を有している。現在アルファオレフィンの製造技術は、出光石化を含めシェル、シェブロン、BPの計4社しか保有していない。その中でも出光石化の技術は、品質面の評価が高く、これまでにも世界中から技術ライセンスの要請を数多く受けていた。
 石油化学業界では近年、メジャーズの合併やBASELL、ダウ-UCCに代表される大同団結などをはじめ、業界再編が急速に進展、国際競争の激化が進んでいる。このような状況において出光石化は、技術立脚型企業を目指し、高機能商品事業の育成・強化に取り組んでいるが、特にアルファオレフィンの強化を急務と考えている。
 アルファオレフィンは、メタロセンポリエチレンのコモノマーとしての需要が急速に増加しているほか、合成潤滑油、洗剤原料などの用途も需要の成長が期待されている。こうしたことから同社は、国内外で第2系列の新設を検討してきたが、グローバルに事業展開していくには、世界規模のプラントが必要と判断、今回様々な選択肢の中から、現在PC(ポリカーボネート)の共同事業化を進めているFPCをパートナーに選定したもの。
 なおアルファオレフィンは今年、来年と欧米勢(シェブロン、BP、シェル)が100万トン近い能力増強の実施に踏み切っており、さらに中東諸国やアジアの石化企業も新設の検討に入ると見られている。