2014年08月01日
産総研とカネカ、微生物で合成界面活性剤の使用量を大幅削減
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:カネカ、産業技術総合研究所

産業技術総合研究所は31日、カネカは共同で、納豆菌が作り出す環状ペプチド(サーファクチン)によって、合成界面活性剤の使用量を100分の1程度にまで低減できることを発見したと発表した。納豆菌が作り出す環状ペプチドは、微量でも界面活性剤の働きを増強することが示された。

低炭素社会への意識が高まる中、環境中への拡散が懸念される合成界面活性剤の使用量低減や、石油系からバイオ由来界面活性剤への転換が求められている。

今回、納豆菌を用いて量産できるサーファクチンの特性を詳しく調べたところ、かさ高い環状ペプチドの作用で、合成界面活性剤の働きが大きく増強されることがわかった。

石油由来の合成界面活性剤に微量のサーファクチンを添加するだけで、合成界面活性剤の使用量を100分の1に減らしても、同等以上の界面活性効果を維持できることを実証した。今回発見した効果を活用すれば、洗剤やシャンプーなどの日用品や、広範な化学製品で利用されている合成界面活性剤の使用量を大幅に低減できると期待される。

同技術の詳細は、9月9~11日、札幌市で開催される日本油化学会第53回年会で発表する。