2014年08月06日 |
厚労省、山口大病院の肝臓再生療法の臨床研究を了承 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:厚生労働省、科学技術振興機構 |
科学技術振興機構(JST)は6日、厚生労働省の厚生科学審議会科学技術部会が、山口大学医学部附属病院から提出されていた、肝硬変症に対する培養自己骨髄細胞を用いた低侵襲肝臓再生療法に関する臨床試験計画を了承したと発表した。 現在、進行した肝硬変の根治療法として確立しているのは肝移植だけだが、病態の改善が期待される再生療法が臨床研究の一つになることで、患者の選択肢が増えることになる。これで、臨床研究がスタートできることになった。 肝硬変は、様々な肝臓疾患が慢性的に進行した末に最終的にたどり着く病態である。肝硬変の患者数は日本で30万人、世界中では2000万人いるとされ、そのうち特に深刻な病態である非代償性肝硬変の患者数は約3万人と推定されている。その内科的な根治療法は確立されていないため、外科的な肝移植が唯一の治療法とされている。 山口大学病院の治療法は、非代償性肝硬変患者を対象にしており、患者から約30ミリリットルの骨髄液を採取し、約3週間培養して骨髄間葉系幹細胞を増やしてから、元の患者の末梢静脈より点滴静注するというものである。この再生療法は、JSTの「再生医療実現拠点ネットワークプログラム」の委託研究プログラムの成果である。 山口大学病院の臨床研究計画では、患者10人を対象にして、投与後6カ月間の観察期間を設け、主として安全性を調べることを目的にして実施する。厚生労働大臣の承認を得た後、準備を整えてから患者登録を開始する計画である。 |