2014年08月19日
理研、記憶免疫機能を持つNKT細胞を発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所は19日、免疫系の初期防御(自然免疫)で重要な働きをするナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)が免疫記憶機能を獲得し、長期にわたり抗腫瘍効果を発揮することを発見したと発表した。

NKT細胞は、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)やVOT細胞と同様に自然免疫に属する自然リンパ球の1つで、がん細胞やウイルス感染細胞などを攻撃する。だが獲得免疫に属する免疫細胞のように長期に生存して抗原を記憶する働きはないと考えられていた。

理研は今回、マウスを用いてKNT細胞のメカニズム解明に取り組んだ結果、肺で9カ月以上と長期にわたって生存し、2度目の抗原導入に対して迅速に反応する「記憶免疫様NKT細胞」が存在することを発見した。

自然リンパ球と考えられていたNKT細胞に、こうした記憶免疫様NKT細胞を同定したことは新しい発見となる。
今後、記憶免疫様NKT細胞を利用した効率的な抗がん治療法やワクチンの開発につながることが期待される。