2014年08月21日
三井化学ファイン、世界初の抗菌・除菌メカニズム開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:三井化学

三井化学ファイン(木岡護社長)は21日、抗生物質が効かない多剤耐性菌にも抗菌・除菌効果を発揮する「高分子コロイド」を開発したと発表した。感染リスクの高い医療機関や介護現場、児童施設、公共機関などでの感染防止対策用としてサンプル配布を開始した。

世界保健機構(WHO)などによると、抗生物質が効かない多剤耐性菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン耐性腸球菌など)は世界中に拡大しており、社会問題化している。

三井化学ファインが販売をはじめた高分子コロイドは、城武昇一・高知大学医学部特任教授が細菌の構造と増殖過程に着目して開発したもので、黄色ブドウ球菌や大腸菌などの細菌のほか多剤耐性菌にも抗菌活性を持つ。製品は粒径数百ナノメートルの高分子コロイドを水に安定的に分散させた形をしている。

高分子コロイドが細菌の細胞壁に物理的に吸着する。このため細菌と細胞壁部の成長がアンバランスとなり細胞の内圧を保つことができず“風船”が割れるように自己融解する。

(1)耐性菌を生み出さず、多剤耐性菌にも効果を発揮する。
(2)抗菌・除菌機能が持続する。エタノールなどと異なり高分子体のため揮発せず安定している。
(3)取扱いが簡単。通常の室温で3年間保存しても抗菌効果は変わらない。
などの特徴を有する。

今後、抗菌・除菌スプレーやウエットティッシュ、衛生衣服などの製品開発を急ぐ。


ニュースリリース
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1408587772.pdf